クリンチャータイヤをチューブレス化?!【CONTINENTAL GRAND PRIX 5000】
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今回は先日の記事で少し触れた、チューブレスのフリをしたクリンチャータイヤのお話。
これだけだと何のことだかさっぱりだと思うが、まずは件の罪深いタイヤについて紹介しよう。
使用タイヤ
使用したのはクリンチャータイヤの新定番、CONTINENTAL GRAND PRIX 5000(コンチネンタル グランプリ5000)。
2本セット Continental(コンチネンタル) GRAND PRIX 5000 グランプリ5000 [並行輸入品] (黒, 700x28C)
- 出版社/メーカー: コンチネンタル(Continental)
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長い間サイクリストに愛されてきた、GRAND PRIX 4000Sⅱの後継モデルだ。
こちらのタイヤ、前作の人気っぷりもあり発表当時は大きな話題になったのだが、話題の所以は人気さだけではない。実はこのタイヤ、クリンチャーだけでなく、コンチネンタル初のロード用チューブレスタイヤもラインアップしているのだ。
2本セット Continental(コンチネンタル) GRAND PRIX 5000 TL グランプリ 5000 チューブレス 700C (700×28C) [並行輸入品]
- 出版社/メーカー: コンチネンタル(Continental)
- メディア: その他
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見た目はほとんど同じタイヤだが、品名の最後にチューブレスタイヤの意である「TL」と記載がある。
近年、ロードバイクにもチューブレス化の波が来ているのは周知のとおり。まだまだプロアマ問わず使用率は高くないように感じるが、流行に敏感(?)な私は二年ほど前からロードでもチューブレスを使用している。やはり整備性に関してはクリンチャーに劣るが、それを加味しても転がりの軽さや乗り心地など、得られるメリットは大きいと思う。
そして事件は起きた
さて、タイヤについて紹介したところでいよいよ本題に入る。事の発端は9月に行われたまえばしクリテリウムの直前。当時使用していたSCHUWALBE PRO ONE が短期間で2回もパンクしたので、他メーカーのチューブレスタイヤに交換することに。
いつものようにAmazonを徘徊していると、発売されたばかりのGP5000が目に入る。正直前作は使用した5本全てをサイドカットでダメにしているのであまり良い印象はないのだが、食わず嫌いは私のポリシーに反するので一度試してみることに。サイズは25Cを選択。
しかしここで重大なミスを犯してしまう。GP5000発表記事のミスリードが原因で、GP5000はチューブレスタイヤのみのラインアップだと勘違いした私は、間違えてクリンチャータイヤを買ってしまったのだ。おバカさんめッ☆
取り付けは毎度のことながらレース直前に会場で。そうやっていつもギリギリで整備するからミスに気付かないのだよ愚か者。持ち込んだフロアポンプではビードが上がらなかったので、会場最寄りのあさひでコンプレッサーをお借りした。
しかしコンプレッサーの威力をもってしても、なかなかビードが上がらない(当然)。店員さんもひたすら空気を入れながら「チューブレスタイヤにはチューブレスと表記があるはずなんですけどねえ~」と戸惑う。しかしチューブレスと信じてやまない私はそんな言葉に耳を傾けることなく、長年のチューブレス人生で培った独自の技術()を用いて自分でで空気をいれる。すると痛快な破裂音とともにビードが上がった。あの時の私のドヤ顔には店員さんはさぞイラっとしたことだろう。
会場に戻るとすぐに異変に気が付く。しっかり空気を入れたはずのタイヤが完全にペシャンコになっていた。天然キャラを極めている私はシーラントを入れてないからだと思い、事の重大さにはいまだ気が付かない。チューブレスタイヤの精度は非常にシビアで、シーラント不要を謳っているタイヤでも空気漏れすることはしばしば。気が付かないのも頷ける(本来こんな短時間では抜けない)。
シーラントを充填すると、ある程度気密を保てるようになり、簡単には抜けなくなった。
余談だが、この時点でレース開始30分前。その後もバタバタ整備しているうちにレース時間に遅刻し、無事DNS。思い出深いレースとなったのだった。
終 制作・著作 ━━━━━ ⓃⒽⓀ
自分のミスに気が付いたのは2週間ほどたってから。シーラントが馴染んできたのもあり、4時間くらいは持つようになったのだが、流石におかしいと思い(遅すぎ)、ネットで調べた。
ここではじめてGP5000クリンチャータイヤの存在を知り、衝撃が走った。「クリンチャーでもチューブ無しでビード上がるんだ?!」と。
使用感
わざわざチューブを入れるのも面倒なので、せっかくなのでチューブレスのフリをした状態でしばらく使ってみることに。
・チューブレスのフリをした使用感
私の体重は約60㎏。空気圧は7barに設定した。
当然といえば当然だが、やはりチューブが入っていないのでチューブレス然とした乗り心地だ。滑らかな乗り心地でストレスが少ない。
転がり抵抗が前作に比べ大幅に低減しているようだが、体感としてはそこまで感じられなかった。
特筆すべきはグリップの高さだ。タイヤが路面を掴む感覚がしっかり感じられ、いつもは怖いレベルまで車体を倒しこんでも不安がない。
そしてなんと驚くことに最終的にリアタイヤは24時間経っても辛うじて走れるくらいには空気が残るようになった。シーラントを大量に入れれば完全なチューブレス化も夢じゃないような気がしてきた。シーラントすげぇ。
・クリンチャーとしての使用感
先日の記事でも書いたが、メーカーが想定していない使い方をしてなにかあっても怖いので、レースの当日にはチューブを入れて走った。
雨だったのもあり、空気圧はクリンチャータイヤとしては低めの7bar。チューブはMAXISのウルトラライトを使用した。
乗り心地はチューブが入っている分やはりエアボリュームが少ないためか少し悪くなった。しかし前作のGP4000に比べると圧倒的に柔らかに感じる。空気圧を低めに設定しているのもあるが、それでもタイヤ全体としてのテイストが前作と大きく変わっている気がする。
グリップの高さはチューブが入っていても相変わらずだった。雨にもかかわらずコーナーの恐怖感は薄く、私が先頭を牽いているときにキツめのコーナーを通過すると後続との差が大きく開いてしまうほどだった。そのあと調子に乗りすぎて落車しt
2ヶ月使用してみて、概ね感触は良く、個人的には前作よりも好きな使い心地のタイヤだと感じた。
では肝心のタイヤサイドはどうか。先ほども述べたが、前作のGP4000はタイヤサイドが異常に弱く、サイドカット多発タイヤだったのだ。
タイヤを隅々までよく見ると...
案の定というか何というか… 私の乗り方が悪かったのかもしれないが、見事サイドカット。タイヤも異形に膨らんでいてバースト寸前。
レース後の整備では見つからなかったので、恐らく落車は関係ないと思う。反対側に倒れたし。
コンチネンタルのホームページを見てみると
GP4000S2比較で…
・転がり抵抗:12%向上
・耐パンク性能:20%向上
・5gの軽量化(同サイズ比)出典:ミズタニ自転車株式会社
耐パンク性能が大幅に向上しているようだが、これは恐らくタイヤ外周部に入っている耐パンクベルトの話で、刺さりパンクなどにしか適用しないのだろう。
タイヤサイドは相変わらずの脆弱さの様だ。残念。
まとめ
今回は私の知識不足とミスが発端の実験だったが、やはりクリンチャーとチューブレスは気密性の面で全くの別物だということが再認識出来て面白い経験になった。
一本のタイヤでチューブレスとクリンチャー両方を体験した様な気になっているが、実際のチューブレス仕様と異なるところもあるかも知れないので、近々ちゃんとしたチューブレスも使ってみようと思う。
くれぐれも注意して頂きたいのは、今回ある程度チューブレスとして使えたとはいえ、メーカーの想定した使い方とは異なるため、皆さんにはこういった使い方はしないで頂きたい。
私と同じミスをする人がこの先現れないことを切に願う。